<法律相談3>監事会設置に関して

  • 投稿日:2009.11.09
    • 駐在員レポート

Q1.     外商投資企業(合弁企業、合作、独資)における監事会の設置は任意とする解釈と必須とする解釈がありますが、どちらが正しいのでしょうか?

 

?          外商投資企業(合弁企業、合作、独資)における監事会(監事)の設置は必須とする解釈があります。『会社法』(国務院公布、200611日より実施)第52条には、「有限責任会社は、監事会を設置するものとし、その構成員は3名を下回ってはならない。株主の人数が比較的少ない又は規模が比較的小さい有限責任会社は、1名乃至2名の監事を置き、監事会を設置しないことができる。」と規定されています。よって、200611日以後に会社を設立する場合は、監事或いは監事会を設置すべきです。

    

Q2.     .20061月以前に設立した企業の監事会設置は任意とする解釈と必須とする解釈がありますが、どちらが正しいのでしょうか?

  ?   20061月以前に設立した企業の監事会設置は任意とする解釈があります。

   200611以前は、監事或いは監事会の設置は、会社設立の必要用件ではありませんでした。また、『外商投資による会社の審査認可登記管理の法律適用にあたっての若干問題についての執行意見』(中国語:『于外商投的公司批登管理法律适用若干问题行意』;国家工商行政管理総局、商務部、税関総署、国家外国為替管理局公布、2006424日より実施;以下、『執行意見』をいう)及び『「執行意見」の重点条項に対する解説』(国家工商総局外資局公布、2009922より実施)によると、200611以前に設立した外商投資企業に対して、定款修正手続を行う必要があるかどうかは、企業側が自分で決めます。

  

 実務上、200611日以前の設立である外商投資企業は、監事会或いは監事設置のみのために定款修正手続を行う必要がありませんが、監事会或いは監事設置以外の事項変更のために、

 審査認可部門及び工商局にて定款修正手続を行う場合には、監事設置に関する条項の追加を要求される可能性があります。

 

参考法規定

    『外商投資による会社の審査認可登記管理の法律適用にあたっての若干問題についての執行意見』

    「(一)外商投資による会社の組織機構について、『執行意見』は『会社法』と外商投資に関係する法律に基づき、類型の異なる外商投資による会社に対し更に明確に区分した。中外合弁、中外合作の有限責任会社は関係規定に従い董事会を権力機構として設立し、会社のその他の組織機構は会社の自治原則に従い、会社定款において法により規定する。外商合弁、外商独資による有限責任会社と外商投資による株式有限会社の組織機構は、『会社法』の規定に合致し、健全な会社の組織機構を確立しなければならない。2006 1 1 日以前に既に設立された外商投資による会社が定款に対し修正を行なうか否かについては、会社登記機関は強制的な要求をせず、会社は自ら決定し、修正を行なう場合には、審査認可機関に報告して認可を受け登記機関で届出を行なう。」

 

    『「執行意見」の重点的条項に対する解説』

    「二、 外商投資会社の組織機構に関して。「執行意見」は「会社法」及び関連する外商投資の法律に基づき、類型の異なる外商投資会社の組織機構に対し、更に明確な区分をした:中外合資と中外合作の有限責任会社は、関連する規定に基づき、董事会を権力機構として設立しなければならない。同時に会社のその他の組織機構は、法律に基づき、会社の定款をもって規定する;外商合資と外商独資の有限責任会社及び外商投資の株式有限会社の組織機構は、「会社法」の規定に合致し、健全な会社の組織機構を建設しなければならない。各地は、この条項が外商投資会社に監事会の設立を要求しているかどうか、という問題に対し理解が一致していない。従って重点的に説明する必要がある。「会社法」の規定に基づき、有限責任会社と株式有限会社は監事会を設立しなければならない。但し、株主の人数が比較的少ない又は規模が比較的小さい有限責任会社は、1名乃至2名の監事を置き、監事会を設置しないことができる。これで分るのは、監事制度は「会社法」に強制的に設立を要求されているが、関連する外商投資の法律はこれに対し別途規定がない。従って、法律の適用原則に基づき、すべての類型の外商投資会社は監事制度を設けなくてはならないが、監事制度の組織形式(監事会か監事か)、選出方式(選挙か委任か)、任期と職権などの具体的事項に対し、会社の状況に基づき、会社定款をもって規定することができる。

    その他に強調すべき点は、法律の不溯及という原則に基づき、200611前に既に設立された外商投資会社に対し、定款の変更を行うかどうかと言うことには、会社登記機関は強制的に要求すべきでなく、会社は自分で決定することができる。定款を変更する場合は、審査・批准機関に批准を申請し、且つ登記機関に登録(中国語:備案)を申請しなければならない。

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