中華人民共和国増値税法 5つのポイント
- 投稿日:2025.06.06
- 009:ビジネスニュース
増値税法(第41号)が2024年12月25日付けにて公布され、2026年1月1日より施行されます。同法は、第二稿草案をほぼ踏襲し、更に建付けこそ1993年12月公布の「増値税暫定施行条例」(以下“暫定条例”と表記)が廃止され、継承的な規定となりますが、暫定条例は営業税と増値税を統合する“営改増”改革において2016年 5月の全面的適用により、実質的に現行制度に上書きされており、実務面での影響は軽微と考えられます。 今回は、「増値税法」と現行の増値税暫定条例との間の五つの核心的な変更点について紹介します。
一、課税範囲:一部統合
「増値税法」第 3 条は、課税範囲が「課税取引」と「輸入貨物」に統合されています。「課税取引」は貨物、サービス、無形資産、不動産の販売の計 4 項目で、「加工、修理、修配役務(労務と略称する)」が削除 され、それらは「サービス」項目に組み込まれました。税率は 13%です。
二、税率構造:微調整
「増値税法」第 11 条では、現行の 13%、9%、6%の 3 段階の税率及びゼロ税率は維持され、簡易税金計算方法による増値税の徴収率は 3%であることを明確にしました。
本文では 5%の徴収率について言及されていませんが、もし 5%の徴収率が廃止される場合、不動産の販 売や賃貸、労務派遣など、現在 5%の徴収率に関わる業界のコストに影響が出ることになります。
三、見なし販売の範囲:大幅に縮小
「増値税法」第 5 条では、見なし販売のケースは 3 項目(自社生産または委託加工した貨物が福利厚生または個人消費に使用される;無償で貨物を譲渡される;無形資産、不動産または金融商品が無償で譲渡される)に限定されました。「代理販売」、「移送」、「非課税プロジェクトへの使用」、「投資」、「分配」の内 容は削除されました。
四、見なし販売価格:簡素化
「増値税法」第 19 条では、企業がみなし課税取引を行い、売上高が非貨幣形式である場合、市場価格に 基づいて売上高を決定することが明確化されました。
五、仕入税額控除:大きく有利
「増値税法」第 22 条(5)では、控除できない仕入税額から「貸付サービスの購入」が削除されました。 これにより、貸付利息の仕入税額控除が可能となり、資金調達コストの削減に寄与します。
※中華人民共和国増値税法原文URL:https://www.gov.cn/yaowen/liebiao/202412/content_6994557.htm
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2025年6月7日 福島県中国ビジネスサポートデスク