新たに改正された「中華人民共和国会社法」について

  • 投稿日:2024.03.12
    • 009:ビジネスニュース
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中国の会社法の改正について、これまで3回の改正草案を経て、2023年12月29日に最終改正案が全国人民代表大会常務委員会で可決、成立し、2024年7月1日に施行されることとなりました。今回は、新たに改正される「社会法」について解説させていただきます。

新会社法は計15章266条であり、会社資本制度の整備、会社管理の最適化、株主権利保護の強化、会社設立・撤退制度の改善等の内容が含まれます。主な改正内容は以下の通りです。

新たに追加、改正した主要項目主な内容
引受制から期限付払込制会社定款の規定に基づき、会社設立日から5年以内に登録資本を満額払い込まなければならない。 本法の施行前に既に設立され、且つ出資期間が5年を超えた会社は、規定の期限内で調整しなければならない。
株主権利喪失制度 及び出資の催告株主が出資義務を適時に履行しない場合、未払込の出資額分の持分権利は喪失する。 董事会は書面により株主に対して払込みを催告することができる。 出資義務を適時に履行しなかった持分の処分方法: ・譲渡、減資、または他の株主が出資比率により払い込み。
株主が払込を引き受けた 出資の期限早期到来会社が満期を迎えた債務を返済できない場合、払込を引き受けたが出資期限を迎えていない株主に対し、出資金を繰上げて払い込むよう要求することができる。
株式、債権は評価して 出資に使用できる価値評価された株式、債権により出資することができる。
株主権利の保護株主は会社定款、株主名簿、株主会会議の議事録、董事会決議、監事会決議及び財務会計報告書を閲覧及び複写する権利を有する。
従業員代表の会社管理への参与従業員人数が300名以上の会社は、法に則って監事会を設置すると共に従業員代表を選出する以外、董事会メンバーにおいても従業員代表を加えなければならない。董事会メンバーのうちの従業員代表は、会社従業員が従業員代表会等の形式により民主的に選挙される必要がある。
会社管理機構の最適化会社は定款に基づき、監事会や監事を設置せず、董事会の中に董事による監査委員会を設け、監事会の職権を与えることができる。 規模が比較的小さい、または株主が比較的少数の有限責任会社は、監事会を設置せずに、監事を1名任命することができるが、株主全員が合意した場合、監事を任命しなくてもよい。
少数株主権利の保護会社が5年連続配当可能である状況においても株主に利益を配当していない場合、合併、または分割、主たる財産の譲渡等、支配権を有する株主が株主権利を濫用し会社や他の株主の利益を著しく損ねた場合、その他の株主は会社に合理的な価格で所持する持分を買い戻すことを要求することができる。
利益配当期間の明確化董事会は株主会決議が出された日から6か月以内に利益配当を行わなければならない。
剰余金を用いた損失補填損失補填方法は以下の順番となる。 任意積立金と法定利益準備金資本剰余金登録資本の減額
出資割合による 減資制度の明確化会社は、登録資本金を減少させる場合、株主の出資又は保有する株式の割合に応じて出資額又は株式を減少させなければならない(別途規定がある場合を除く)。
持分譲渡制度の改善株主が払い込みを引き受けたが出資期限を迎えていない持分を譲渡する場合、譲受人より当該出資義務を果たすべきとする。譲受人が出資期限により満額払い込んでいない場合、譲渡人は譲受人が期限内で未払込の出資に対して連帯責任を負う。
会社撤退制度の改善会社の存続期間において債務が発生していない、又は全ての債務を既に返済した場合、全株主の合意を得た上、簡易手続きを通じて会社登記の抹消ができる。

参照政策:《中華人民共和国会社法》(中華人民共和国主席令  第十五号)

≪中华人民共和国公司法≫原文:http://www.npc.gov.cn/npc/c2/c30834/202312/t20231229_433999.html

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2024年3月12日  福島県中国ビジネスサポートデスク

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