2013年度インターンシップ研修実施報告(菅野さん)

  • 投稿日:2013.08.19
    • ニュース
福島県関係者(大学生)のインターンシップ研修を下記のとおり行いました。当事務所の業務を通じて実務
研修をし、レポートを書いていただきましたのでお知らせします。
 
氏 名:菅野 航平
年 齢:21歳
出身地:二本松市
大 学:愛知県立大学
受入期間:2013年8月6日(火)~8月17日(土)
 
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福島県上海事務所でのインターンシップを終えて
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 東日本大震災による風評被害や尖閣諸島問題により、近年の日中関係はこれまでにないほど悪化している。特に福島県は中国国内でも原発事故の影響を不安視する声があったり、中国政府によって食品の輸入制限がかけられているため厳しい状況に置かれている。私は、福島県が中国とどのような関係があるのか学ぶとともに、日系企業が中国でどのようにビジネスを展開しているのか実際に上海に行って視察したいと思い福島県上海事務所のインターンシップに参加した。
 中国は日本にとって最大の貿易相手国である。しかし中国に進出するのは私の想像をはるかに越える難しさがあった。実際に、福島県出身の工場経営者の方にお話をうかがう機会があった。中国は労働者に優しく経営者に厳しい国だという。例えば、経営者は労働者の食事や入浴の補助を出す必要があるそうだ。また、計画経済の名残りから中国人労働者は日本人労働者のように、真面目で勤勉に働いてもらうというのは難しいと経営者の方は話していた。中国でビジネスを展開するのに重要なのは、根性と、日本人と中国人の違いを理解することだと話していた。また企業に日本人がいるということは、会社の信頼につながるという。日中関係悪化という大きな問題はあるものの、中国国内で日本人が果たす役割の重要性を実感した。
 私はどこの小売店でも日本製品が数多く陳列されていたり、日本車が多く走っているのが気になった。なぜなら、原発事故や日中関係悪化により日本製品はほとんど扱われていないと思っていたからだ。そこで私はインターン期間中、中国国内における日本製品や福島県産品の動向を調べた。日本製品は輸送コストや関税により、中国国内では日本国内と比べて価格が割高である。それでも、日本製品の安全性と品質の良さは中国国内でも評価されており、日本製品を選ぶ中国人消費者も多いという。また、日本の政府系銀行の調査でも、中国人消費者の多くは日本製品に対して良いイメージをもっているという結果がでている。食品や日用品だけでなく、日本のアニメ関連のグッズもいたるところで販売されており、身に付けている人も多くいる。
 インターン期間中に、事務所を訪ねてきた湖州市の開発区の工場誘致の担当の方にお会いする機会があった。担当者の方は「日系企業は評判が良いので歓迎したい」と話していた。
 私が中国に来て感じたことは、中国はまだまだ日本にとって魅力的な市場だということだ。訪中以前は、日中関係悪化のリスクや人件費の上昇により、中国市場は日本企業にとって昔ほど重要な市場とは言えないと思っていた。しかし中国では、安全性と信頼性ゆえに「日本製」がブランドとして確立しているように思える。それだけでなく、中国の賃金がさらに上昇することで、これまで高価で日本製品が買えなかったという人も、日本製品に手が出せるようになるということも考えられる。中国はいまや「大量消費国」の一つだ。したがって、中国市場は日本にとってこれからもビジネスチャンスが広がる市場であるのだ。
 日中関係の悪化により、最近は多くの日本人は「中国は危ない国だ」という印象を持っているだろう。中国に来る前は私もその一人だった。しかし実際に中国に来てみて、そうではないというのが私の感想だ。私はレストランや市場で、中国語で注文するのに苦戦することが多かった。だが店員さんが、私が日本人だとわかると一所懸命知っている日本語や英語で話してくれた。もちろん街中で日本語を話していても何の問題もない。
 福島県は原発事故以降、風評被害により大変厳しい状況に置かれている。福島県上海事務所の方々は、風評被害の払拭や食品輸入制限解除に向けた取り組み、中国人観光客の福島県への誘致、福島空港上海便再開のために毎日奔走しておられた。上海事務所は、福島県の本当の姿を海外に発信するためになくてはならない存在だと感じた。
 今回インターンシップを通してお会いした方々、上海事務所職員の方々には、これまで自分にはなかった観点から物事を見るということを多く学ばせていただいた。また社会人の方々が実際に働くところ、自分のキャリアについて考えるきっかけになった。約10日間という短い期間ではあったが、実際に中国に来たことで中国に対するイメージが変わったり、世界での日本の信頼性や役割の大きさや、これまでまったく知らなかった福島県と中国との関係を学ぶことができた。
 福島県上海事務所の職員の方々、お会いしたすべての方々に本当に感謝したい。
 
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